勝山というもの
6月になりました。
梅雨入り宣言はまだ?ですが、晴れれば1年で一番気持ちのいい季節です。
そんな今日、1人の高齢のお客様がご来店。
「お訊ねしますが・・。」
と切出されお話しを伺うと、うちが昔峠でやっていた頃生そばを持ち帰った、おつゆはコーラの瓶に入れて。今日はできるか?とのこと。勿論できますよお包みしますねと返事をして、お蕎麦をお作りしました。
「あぁよかった、本当によかった。やっと来れた。」
お隣山梨から来てくださったその方のお話しを伺うと、昔峠でやっていた頃、お蕎麦が美味しくてよく通った。ところが勝山が無くなってしまった 。
もうあの蕎麦が食べられないと思っていた。が、移転してやっていると聞いて来たかったがコロナで来れなかった。私はワクチンを2回打てたので、今日やっと来ることができた。あの時の親父さん思い出すなあ。と。
「親父いますよ。」
懐かしい当時のお話しをされるお客様と対話する親父。
実は親父は昨年、年明けに心不全で緊急搬送。一命を取り留めたものの、心臓の手術と肺の一部を削除するという手術を同年の大型連休中にしています。
そんな2度の手術を経ても尚、80過ぎですが店に立っています。その理由の一つに、こうして過去のお客様が来られても挨拶しなければ。そんな気持ちが親父にあるかもしれません。
今日のように、移転前の峠でやていた頃のお客様が来店され、親父と対面するという事がよくあります。 その光景を目の当たりにし、当時のお話しを聞くにつれ、改めて “ 勝山 ” が地域やお客様に与えた影響と時間の経緯、その深さ大きさを知ります。
そんな老舗の部類にはいる当店ですが、未曾有のコロナ禍では生き残る事は困難です。老舗の良さを残しつつ、変えていくなり新しい事を取り入れていかなければ、と二代目は試行錯誤しています。